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夜回り先生は、今!(水谷修ブログ)日記 > 泰明小学校の標準服問題について

泰明小学校の標準服問題について

2018年2月 8日

ネット上で、東京都の公立小学校、泰明小学校が、高価なアルマーニ製の標準服を採用することについて、様々な批判が飛び交っています。そこには、たくさんの誤解と根本的な問題についての間違いがあります。
まずは、制服と標準服を混同しています。制服は、通学時に学校の許可がなければ、必ず着用しなくてはいけない服であって、今の日本では、多くの私立の小・中・高校と、多くの公立高校で採用されています。これらの学校では、原則として私服での登校を認めません。
それに対して、標準服というのは、日本の数少ない小学校と、ほとんどの中学校で採用されているものであって、それを着用することが好ましいとされてはいるけれど、着用の義務はありませんし、標準服を着用していないからといって、授業を受けさせないことや、修学旅行などの行事に参加させないことは、許されません。ただ、多くの中学校では、強制しているようですが、これは、本来法律違反です。
今回の泰明小学校の場合は、標準服であり、それを買うことや着用することを拒否する権利は、家庭や児童に保障されています。かといって、多くの通学する児童や家庭にとって、着用を拒否し私服で登校することは、いじめの一因となるのではとか、学校の教員や校長からにらまれるのではと、なかなかできないことでしょう。この意味では、高校の制服となんら変わらない制圧力を有するでしょう。でも、本来文部科学省の現行の規定では、こうなっています。
私は、高校教員時代から、この標準服や制服が、公立学校に存在することに、いつも疑問を感じていました。また、現在、7人に一人という貧困家庭の子どもたちとその家族にとって、生活保護世帯や就学援助を受けている世帯の場合は、中学までは、その標準服代は税金から支給されますが(高校の制服については、義務教育ではないという理由で支給されず本人負担です)、それ以外の家庭にとっては、大きな負担です。これがなくなり普段の私服で通学し、学ぶことができたなら、どれだけの家庭の家計が助かるでしょう。
私は、30年以上前から、この制服、標準服の廃止に取り組んできました。何度も、職員会議の場で提案しましたし、教育委員会にも質問状を提出しました。その答えの中で一番多かったのは、「学校での生徒の一体感、集団としての規律を身につけていくために必要である」という回答でした。二番目は、「児童、生徒が、みな同じ制服、標準服を着用することによって、私服なら差が出てしまう、家庭の経済状況が見えにくくなり、いじめや差別を防ぐことになる」という回答でした。それ以外には、「私服を認めてしまえば、学校内がファッションショーの様に、はでな服装で満ち、教育に支障を与える」、「自分の学校の生徒が一目で確認でき、また町でも、高校生であることがすぐに一般の人にわかるため、喫煙防止や非行防止のために役立つ」というものもありました。
私が、教員生活の最後に12年間勤務した夜間定時制高校には、制服は存在しませんでしたた。その理由は、簡単です。一つは、高齢者の方を含め様々な年齢の方が入学してくる夜間定時制高校では、制服を無理矢理着用させることは困難だからです。でも、本当の理由は、制服を設定して購入させることになったら、その費用負担で入学できなくなる生徒が出てしまうからです。みんなが、私服で通学してくる夜間定時制高校で、他の制服のある全日制高校と比べて、制服がないからといって混乱することも、子どもたちの集団性が損なわれることも、学校内がファッションショー会場になってしまうこともありませんでした。
また、標準服や制服は、日本で最も汚れている服です。どの児童や生徒も、何着も標準服や制服を持っていないはずです。よほど恵まれた家庭出ないかぎり、ほとんどの家庭では、一着のはずです。その服を、一ヶ月、子どもによっては一学期間毎日着用します。こんな汚れた服を、毎日強制的に着用させることは、児童、生徒の健康上も多くの害があるはずです。
この泰明小学校のアルマーニ製の標準服の問題は、さらに進めて、公立学校での、標準服や制服が、本来必要なのかという国民間の議論となればと私は考えます。
私の考えは決まっています。公立学校の標準服、制服は、また体操服やかばん、靴の指定まで含めて、すべて廃止すべきです。こうすれば、多くの家庭が救われます。

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