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夜回り先生は、今!(水谷修ブログ)日記 > 日本の大人は、腐ってしまったのか

日本の大人は、腐ってしまったのか

2018年5月24日

日本大学アメリカンフットボール部で、試合中に起こってはならない反則行為がありました。プレイが止まった後に、相手選手に対して全力で後ろからタックルする。一つ間違えれば、相手選手の選手生命どころか命を奪う可能性もあった危険な行為です。
このことについて、日本大学の当該学生は、日本記者クラブで、多くの報道陣に対して記者会見を行い、相手学生、その家族、学生の所属する大学に対して正式に謝罪し、この問題の背景と原因について、必死に彼なりの真実を語りました。20歳のまだ若い学生が、カメラやフラッシュの中で、まじめにそして丁寧に語る姿に、あまりに見ていることがつらくて涙したのは、私だけではないはずです。でも、その場には、彼を預かり教育する責任を負っている日本大学の学長やアメリカンフットボール部の責任者の姿はありませんでした。このことに違和感を覚えたのも私一人ではないはずです。
彼の口から出たことばには、さらに驚かされました。部のコーチや監督からの「相手をつぶせ」という指示があったというのです。しかも、そうしなければ、試合に出さない。世界選手権にも参加させないという追い込み、ある意味では脅しがあったというのです。
そして、昨日夜、日本大学のアメリカンフットボール部の前監督と直属のコーチが会見を行いました。彼らによれば、「相手をつぶせ」というのは、あくまでそのぐらいの強い気持ちで戦えという意味で、あのような危険な行為をしろとは言っていないとのことでした。これを聞いて、私は、先日の財務省の福田氏によるセクハラ事件を思い出しました。「覚えがない」、「そんな意味では言っていない」といって、自己正当化しようとした事件です。また、つい先日の狛江市長による、複数の部下に対するセクハラ問題を思い出しました。「そんなつもりはなかった」、「女性たちの勘違い」といって市長の座に居座ろうとしました。しかし、この両方とも真実は明らかになり、彼らはそれを自身のキャリアで償うことになりました。
現在、警視庁が動いていますから、当然事実はあきらかになるでしょう。でも、許せないのは、セクハラの場合でも、今回のようなパワハラ、傷害教唆の場合でも、自分たちにはそんな意図はなかったと言って、自己保身に入る大人たちです。相手が、しかも弱い立場の相手が、そのようにとれば、そこにはその段階で責任が生じます。弱い立場の人、特に教育に携わるものの場合、生徒や学生を守ろうとする大人はいないのでしょうか。
しかも、昨日の会見には、日本大学の教育のすべての責任者である学長の姿はありません。自分のお預かりした学生が、このような状況に置かれ、自分の部下である職員の責任が問われている席に、なぜ彼はいないのでしょうか。コメントや相手に対する謝罪の言葉もありません。
私は、このような無責任で学生に対する思いのない学長や職員のもとで教育を受けている日本大学の学生に、大学の教員の一人として、申し訳ない思いで一杯です。日本大学には、私の友人も後輩も教員として所属しております。たくさんの優秀で素晴らしい教員がいることも知っています。一日も早く大学そのもののあり方を変革し、特に、学長、理事長、理事などの大学幹部職員の人事を一新し、今回の学生を守り、また、他の学生たちに不利益の出ないようにしてくれることを望みます。
森友、加計問題を見ても、今回の問題を見ても、この国から正義は消えてしまったのでしょうか。悲しいことです。

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